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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

妙高山・火打山登山(2日目:高谷池ヒュッテ→妙高山→黒沢池→富士見平→高谷池ヒュッテ)

朝はだいぶ冷え込みました。

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高谷池ヒュッテの目の前には高谷池湿原という湿原が広がります。すでに草紅葉を通り越し、この日の朝は池塘(ちとう:泥炭地の池沼や水溜り)が凍っていました・・・。

2日目のルートは標高2000mよりも低い標高を歩くことはないので、亜高山帯以外の植生に出会うことはまずない感じです。高谷池ヒュッテを出て東に進むと茶臼山、その先の黒沢池ヒュッテと、東西に伸びる稜線を歩きます。

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この東西の稜線を挟んで北側は急な斜面で、南側はわりと緩やかな斜面になっています。昨日見てきたオオシラビソの群落は、この稜線の南側の斜面だけにあり、北側にはないようです。北側は高木林のダケカンバ群落と低木林のミヤマハンノキ群落が卓越します(写真は北稜線から北西側の斜面を望む)。

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黒沢池ヒュッテから南東に登ると大倉乗越に着きます。この区間も出会った植生はダケカンバ群落とミヤマハンノキ群落です。高木がダケカンバで、低木がミヤマハンノキ。

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倉乗越は妙高山の外輪山にあたります。現在の妙高山は「大昔の妙高山」が大噴火して山体が崩壊した後、その後の火山活動でできた中央火口丘のようです(写真は大倉乗越付近から見た妙高山)。つまり、大倉乗越は大昔の妙高山の山腹にあたるわけですね。しかし、この後100m近く下って、妙高山の急斜面を登るのかと思うと、ちょっとヘタります。

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妙高山の外輪山の内側(写真)には、やはりオオシラビソ群落はありません。

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外輪山より内側は急斜面は人が歩ける部分は概ねダケカンバ群落からなります。人が歩けないような斜面や岩場ではミヤマハンノキ群落やその他の低木林もしくは岩上の特殊な植生(近づけず不明)から成り立っています。

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山頂周辺ではさすがにダケカンバが少なくなり、ナナカマド、ヤナギ類、チシマザクラ?なんかの低木類が多くなります。ただ、ミヤマハンノキが結構まじり、ハイマツがかなり少ないことから、あまり高山的な要素は無い感じです。

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唯一高山的な要素が確認できたのは山頂の岩の上でした。コメバツガザクラ、イワカガミ、コケモモ等からなる高さ数cm
のミクロな群落が見られました。

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山頂から火打山を望みました。濃い緑色がオオシラビソ群落ですが、南側の斜面のなかでも比較的緩やかな斜面に多い印象を受けます。こうやってみると、オオシラビソ群落の分布は、この山塊の中でも限定的であることがうかがえますね。

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山頂で昼食を取った後は黒沢池ヒュッテまで戻り、黒沢池を歩きました。黒沢池周辺ではこれまで小規模なものしか目にしなかったチシマザサ群落が広く分布します。薄い黄緑色がチシマザサ群落で、茶色が湿原です。この時期だと、明瞭に群落が区分できます。

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茶色一色の湿原で、唯一青々としていたのがハクサンコザクラハクサンコザクラはこのまま雪の下で越冬し、雪がとけると咲き出すようです。今度は、ハクサンコザクラ満開の時期に訪れたいものです。

富士見平からは、初日と同じコースなので省略です。この日、妙高山の山頂で見た植物を紹介します。
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コメバツガザクラ。殆ど実になっていましたが、一輪だけがんばって咲いていました。


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コケモモ。動物達にとっては貴重なえさなので、味見は控えておきました。