身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

神奈川県丹沢山地のブナ林

ブナ美林の訪問は、今年がこれで2度目です。今回は丹沢山地の太平洋側ブナ林を訪れました。丹沢山地のブナ林も立派で、面積的にも非常にまとまっています。

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ブナ林の遠景(8月5日)

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ブナ美林。林床の植物も1m未満で、歩きやすそう(8月5日)。

山道を登って標高1000m程度を超えるとブナ林が現れます。すくっと真っすぐに伸びた白い幹が美しいですね。この樹林は樹高20m以上はあります。それにしてもなんかすっきりした感じがしませんか?北海道黒松内低地のブナ林は林床が1.5m程度のササに覆われていましたが、丹沢のブナ林は殆どササがありません(今回は見ませんでしたが、部分的にはササが密生するところもあるようです)。もともと太平洋側のブナ林には北海道で見たような大型のササが少ないことから、樹林がすっきりした印象を受けたのはそのためですね。

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こちらのブナ林はマルバダケブキの黄色の花が点々としてきれいです(8月5日)。でもよく見ると、特定の植物だけが繁茂しているような・・・。

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んっ?こちらのブナ林はすっきりしすぎでは・・・、というか草が殆ど生えていないです(8月7日)。

丹沢のブナ林がすっきりしている理由は大型のササが少ないだけでなく、シカが林床の植物を食べているためです。これだけ草が生えていないということは、相当数のシカがいるのではないでしょうか。
このままで林床が丸裸かになってしまう、ということで、シカの食害を防ぐため丹沢の登山道周辺には多数のシカよけの柵が張り巡らされています。

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シカ柵の有無で、こんなに違いがあるところがありました(8月7日)。向って右側がシカ柵の中で、植物が繁茂しています。効果があるようです。ただ、どこもこのようにうまくいっているわけではないようでした。

シカ柵の外ではシカの食害の影響を受ける植物がある一方で、シカの食害の恩恵を受けているような?植物があります。シカがきらいな植物(食べ残した植物)は、競争相手となる植物が減ったためか、圧倒的に優占することができます。今回は、シカさんが嫌いな植物を紹介します。

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マルバダケブキ。かなり嫌いみたいで、これだけが刈り残されたような雰囲気の場所もあります(8月4日)。

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シロヨメナ。これも殆ど食べられていません。キクは匂いが強いからかな?(8月6日)

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ホソエノアザミ。このアザミの棘は強力です。ズボンをはいていても痛いです(8月6日)。

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マツカゼソウ。涼やかな植物ですが、確かにニオイがかなり強いですね(8月7日)。

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ヤマカモジグサ。牧草みたいでおいしそうなのに、食べられていません。不思議です(8月7日)。


私は丹沢山地を数回しか訪れていないし、シカの食害を受けていない昔の丹沢山地を知らないため、どれほど変化したのかということはわかりません。ただ、バランスが崩れているという印象はすぐに感じました。シカが増えすぎて植生のバランスが崩れているというニュースを最近よく聞きますが、まさにそのとおりです。なかなか妙案はないみたいですが、なんとかしないとまずいですね。