身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

丹沢山地-丹沢山~蛭ヶ岳-(神奈川県相模原市・山北町・清川村)

丹沢山地はこれまでもよく登っていますが、最高峰の蛭ヶ岳は登ったことがない山でした。丹沢山地は標高が低いため、夏の山歩きには暑くてちょっと厳しいですが、丹沢山蛭ヶ岳区間は殆どが標高1500m以上で、丹沢山地では最も涼しい山歩きができる場所だと思います。

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よくお世話になっているみやま山荘(丹沢山山頂)。きれいな山小屋で管理人さんも気さくで快適です。一応、ここが今回は出発点です。

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丹沢山を降りて蛭ヶ岳を望む。雲が出ていて蛭ヶ岳は見えませんね。

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稜線上のブナ林。人がスケールとなっています。木の太さの割には樹高が低いですネ。

丹沢山地は高い場所でも標高1600m程度ということで、基本的には頂上付近もブナ林が成立します。ただ、稜線付近は風が強いこともあって樹高は低めに抑えられています。

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稜線上の低木林。春に来たらミヤマザクラやマメザクラが咲いてきれい。

ブナが生育していたけど枯れてしまったのか、環境が厳しくてブナが定着できなかったのか、ブナ以外の樹種からなる低木林も見られます。このような低木林ではマメグミ、ニシキウツギ、マメザクラ、ミヤマザクラ等が優占しています。でも種組成的には頂上付近のブナ林とあまり変わらないような気がします。

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斜面が急なせいもありますが、風衝草原になるのかな?ミヤマクマザサ群落。

さらに環境が厳しいのか、稜線上ではササ原になっているところもあります。ここのササはミヤマクマザサで草丈が腰丈程度に抑えられています。稜線上のササ原はだいたいは草丈が低いですが、強風の影響を受けず、シカの食害の影響のない柵内の樹林ではミヤマクマザサも人の背丈ぐらいになることがあるようです。

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岩場は安定した部分と、崩れやすい部分がある。崩れやすい部分は礫が多い。

特筆すべき環境としては丹沢山地で所々に見られる鎖場の岩場です。崩れやすい不安定な岩場ではそれほど珍しい植物はありませんが、安定した岩場ではその場所に特有の植物も見られました。あんまり植物に見とれていると足元がおろそかになるので、皆さんも注意して下さいネ

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登山道のすぐ下の斜面。崩壊を食い止めるように木柵が設置されていた。

この区間を歩いて気になったのは、斜面の崩壊です。崩壊を保護するため、木柵などを設けているようですが、表土の流失は完全には止められない雰囲気です。

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地表がむき出しになっています。この斜面下には大きな集落は無いですが、こわいですね。

所によっては高木が倒れてしまうような大規模な崩壊も見られました。山は年月をかけて侵食されていくものなので、多少の土砂の流失は自然現象でやむをえないものと思います。しかし、昨今の局所的な大雨は、これまでとは異なるような斜面崩壊を引き起こす可能性がありますよね。写真のような一度傷をおったような斜面に、再度大雨が降ったらと思うと恐ろしいですね・・・。何か対策があるとよいのですが・・・。そのうち、今歩いている登山道の一部も、斜面崩壊によって無くなってしまうかもしれません

この日であった植物たちです。ササ原の登山道沿いや岩場で出会った植物が中心です。

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ヒメノガリヤス。ササ原でササにまじって優占しています。山が低いのでこれ以外のノガリヤス類は目に付きませんでした。

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シモツケソウ。登山道を一番きれいに彩っていた花です。7月下旬から8月上旬が見ごろのようでした。全体的に小型の個体が多い印象を受けました。

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ヤハズハハコ。一見するとヤマハハコに似ていますが、葉の形がちょっと違います。岩場に多く出現していました。

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ウスユキソウ。高山植物のイメージが強いエーデルワイスの仲間です。この仲間では最も低い標高に出現します。岩場に多く出現していました。


山頂は広く360度の眺望が魅力的!平日の夕方に着いたこともあり、山頂はうちらのパーティで独り占めでした。

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天気がよければ正面に富士山が見える。秋にかけては空気も澄むので見える機会が増えるかもしれません。

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富士山は見えなかったけど幻想的な静かな夕暮れ。