梅雨時の花-197.ヤグルマソウ-
梅雨の後半になり、ようやく梅雨らしい天気になってきました。渓流沿いでヤグルマソウの花が咲いていました。
緑が濃くなる渓流で圧倒的な存在感を示す花の一つです。存在感は花よりもむしろ葉の方にあるかもしれません。名前の由来となった矢羽のような小葉(しょうよう:1枚の葉が分裂してできた個々の葉のこと)を車輪状につける形が特徴的ですね。ちなみに「ヤグルマ」とはこいのぼりをあげるポールの先端についた車輪状の飾りのことを指すようです。うちもそうですが、最近はこいのぼりも上げない家が多いので、若い人は想像できないかもしれませんね・・・。
存在感の2つめは葉が大きいということです。直径50cmほどもあります!ということは、花序もそれなりに大きいのですが、緑濃い渓流では思ったほど目立ちません。
ヤグルマソウに似た植物はないですし、ネーミングも完璧なので写真を見ただけで覚えられると思います。
①生育環境と生え方:渓流沿いの樹林内に生育し、根茎で増えるため群生します。
②葉:矢羽のような形の小葉5~6枚を車輪状につけます。葉の直径は大きなもので50cmにもなります。
③花:茎の先に長さ30cm以上になる大きな円錐花序(えんすいかじょ:枝が多数分枝して、円錐形の形となる花の集まり)をつけ、白い小さな花を多数つけます。
花だけ見ると同じユキノシタ科のトリアシショウマなんかも似ていますが、葉の形が全く違うので見誤ることはありません。