身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

初夏と言えばスゲでしょ!-55.シラスゲ-

ヒメシラスゲ節の仲間を一気に紹介します。シラスゲです。

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神奈川県(5月20日撮影)にて

同じヒメシラスゲ節のため、果胞(かほう)の形状はヒゴクサと似ていますが、全体的な雰囲気はあまり似ていません。ヒゴクサやエナシヒゴクサ同様、地下茎で増えるので群生します。ただ、ヒゴクサよりも全体大きく、葉も太くがっしりしています。生育環境は明るい樹林内や林縁です。
シラスゲはヒメシラスゲ節の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~九州に分布します。
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シラスゲの特徴は次の4点です。用語は導入編を参照して下さい。
①生え方:地下茎で増えるため群生します。
②大きさ:5070cm程度です。
雌小穂(ししょうすい):柱頭3分岐。雌小穂4cm以上と長く、短い柄があり少し垂れるか、斜めにつきます。
④葉:葉の裏は白っぽくなります。真っ白ではなく青白い感じです。これが名前の由来です。
 
シラスゲに似た植物として、アイノコシラスゲというのがあります。アイノコシラスゲという名前から雑種のような印象を受けますが、シラスゲとは変種の関係にあります。

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シラスゲの穂があまり垂れないタイプ。穂の拡大写真に使用したものに比べるとまっすぐです。

この写真のシラスゲよりも雌小穂が短く、直立気味に雌小穂がつきます。雰囲気としては、エナシヒゴクサとシラスゲの中間的な感じでしょうか。ただ、どちらかよくわからない個体も見られます(私が把握しきれていないからかもしれません)。今度、写真が撮影できたら紹介したいと思います。
もう一種似たスゲとしては、ヒカゲシラスゲがあります。ヒカゲシラスゲは葉の裏が白くならない点で区別でき、シラスゲより冷涼な地域に生育します。
これまでに紹介したヒメシラスゲ節のスゲは比較的身近な場所で見られるので、覚えておくと他種との識別に役立つと思います。