身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

初夏と言えばスゲでしょ!-54.ヒゴクサ-

エナシヒゴクサと紹介の順番が逆な気もしますが、ヒゴクサです。

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ヒゴクサ。エナシヒゴクサの時と写真が同じです(神奈川県.5月)

基本的な生態はエナシヒゴクサと同じです。草丈は30cm前後で、北海道~九州まで広く分布し、明るい樹林内、林縁、草地に生育します。エナシヒゴクサと混生することもあります。
ヒゴクサはヒメシラスゲ節の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、特長は次の4点です。用語は導入編を参照して下さい。
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①生え方:地下茎で増えるため群生します。
②大きさ:30cm前後です。
雌小穂(ししょうすい):柱頭(ちゅうとう)3分岐。雌小穂に柄があり、ぶらさがります。
④葉:葉の幅は24mmぐらいで、柔らかい感じです。苞葉の付け根に鞘はありません。


エナシヒゴクサと特徴が殆ど同じで、手抜きのようにみえます・・・。ヒゴクサとエナシヒゴクサとの違いは雌小穂の柄の有無だけではありません。よく見ると、果苞(かほう)の形が違います。ヒゴクサは果苞の先(植物用語ではと呼びます)が細長くなり、果胞自体も細い印象を受けます。エナシヒゴクサは嘴が短く、果胞全体がプクッと丸味を帯びます。また、写真ではわかりづらいですが、柱頭(ちゅうとう:写真では果苞の先の茶色い毛の部分)の長さがヒゴクサの方が長いという違いもあります。違いは柄の有無だけではないことを紹介しておきます。