すぐに覚えられる常緑植物-20.オオキジノオ-
これはキジノオシダでしょうか?なんとなく雰囲気が少し違う感じがしますよね。
これはオオキジノオです。
オオキジノオはキジノオシダと似た植物で、生育環境もキジノオシダと同じです。百年公園では、スギ植林や常緑広葉樹林に同所的に生えています。オオキジノオの分布はキジノオシダの分布とほぼ同じで、新潟県以南の本州、四国、九州の常緑広葉樹林が成立する場所に分布します。
オオキジノオの特徴は次の2点です。
①頂羽片:頂羽片(ちょううへん)は明瞭です(赤い丸の部分)。
②羽片:羽片(うへん)には明瞭な柄があります。これがキジノオシダとの違いです。ただ、上部の羽片になると柄が不明瞭になります。羽片が直接軸と接するときは、キジノオシダとは反対に葉の根元側で広くくっつきます(写真はないです)。
説明し忘れましたが、オオキジノオとキジノオシダは胞子葉(胞子のつく葉)が別に出ます。写真はいずれも胞子のつかない栄養葉のものです。
オオキジノオとキジノオシダは同所的に生育することがあるため、時に雑種ができるそうです。雑種はフタツキジノオといいます。私があまりシダに詳しくないため、ここでは雑種があるという紹介でとどめたいと思います。これだけ似ていて、くっついて生活しているのだから雑種ができても当然かもしれませんね。