身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

養老山-(岐阜県養老町)-

息子の練習試合の送迎で大垣に行きました。練習試合を見ていてもしょうがないので、近所の養老山に登ることにしました。しかし、迎えの時間までに戻る必要があるので、往復で3時間以内で下山しなければなりません。今回は、私には珍しいスピード登山となりました。

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駐車場付近の山の様子。新緑がきれい~。

今回のコースは駐車場→三方山→養老山という稜線がメインのコースです。登山開始となる駐車場は標高が約250m。この辺りはウラジロガシやアラカシといった常緑広葉樹が落葉広葉樹と混生します。

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林道をしばらく歩くと川を渡り、その先はしばらく急坂を登ることになります。この川に面した急坂は崩壊性の斜面のため、崩れている個所もちらほらあります(気をつけて下さいね)。このような崩壊性の斜面ではケヤキやイヌブナ、シデ類が目立ちました。

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尾根のコナラ群落。明るく気持ちよい林です。

尾根が近づいてくると斜面が安定するのでコナラを主体とした群落になります。尾根にたどりつけば傾斜は緩やかになり、登るのがだいぶ楽になります。

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山頂付近の山の様子。たった600m程の差だけと、こちらはまだ早春。

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庭のアセビはすっかり終わってしまったが、山頂付近はちょうど見頃。

尾根のコナラは芽吹いたばかりで、登るほど季節が後退していき、標高720mの三方山付近では、まだ木々が芽吹いていませんでした。そのため山は早春の雰囲気で、アセビやスミレの仲間が花盛りでした。

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小倉山山頂を望んだところ。草刈りがされている?

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小倉山頂園地周辺からの景観。濃尾平野が一望できる。

三方山から養老山にかけてはさらに傾斜が緩やかになり、気持ちよく歩けます。養老山の手前になんとも不思議な平尾根が現れました。これは自然の景観?と首をかしげてしまうような感じです。下草が刈り取られ、アセビが目立ち、木々全体の背丈が低いです。この場所は小倉山頂園地と呼ばれる場所で、東屋やトレイルが整備されており、ちょっと人工的な雰囲気もあります。半分人工、半分自然ともいえるなんとも不思議なところです。

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養老山山頂自体はちょっとつまらない(笑)。

小倉山頂園地を過ぎれば養老山山頂まではすぐです。ただし、標高858.9mの養老山は山頂に三角点があるだけで、眺望もなく、「登りました!」という雰囲気だけが味わえます。眺望を楽しむなら小倉山頂園地の方がよさそうです。

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これは草刈されたわけではなく、シカが食べてこうなったような気がします。

ひととおり登ってみて、なんとなく植物が少ないな~と感じました。早春で落葉性の草木の葉が出ていないことも理由の一つですが、どうもそれだけではなさそうです。とにかく登っていて低木層以下で目立つ植物が、有毒植物のアセビとシキミです。スミレ類は多いですが、いずれも地面にへばりつく植物です。小倉山頂園地で草刈りと思っていたのは、どうも笹が地上10㎝くらいで食べつくされているからのようです。リョウブの樹皮もかなり剥がされています…。単調な林床となっている原因は、多分ニホンジカによる食害で、小倉山頂園地の管理人はニホンジカさんということになりそうです…。

帰りは少し小走りを交えて、なんとか2時間40分くらいで下山することができました。早春を彩る植物達(登山日は420日です)。

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バイカオウレン。登山道沿いのヒノキ植林内で見られました。

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シハイスミレ。葉が地面にほぼ平行に出て、花の色の淡いものが多い。

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マキノスミレ。葉が地面に垂直気味に出て、花の色の濃いものが多い。でもシハイスミレと混生していてたくさん見続けると、どちらかわからないものも多々あった。

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フモトスミレ。麓という名前がついているけど山頂付近でのみ見られた。

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ニシキゴロモ。美濃地方では濃い紫色のものが多い。本当にニシキゴロモかな?

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今回歩いた登山ルートです。黄色の○印の登山道は廃道となっていて今は歩けません。最初、この道にとりつこうと思って30分以上時間を無駄にしました…。皆さんも気をつけて下さいね。