身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

夏の花木-207.クサギ-

夏休みも終わりましたね~。近所のクサギの撮影になんとか間に合いました。

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岐阜県関市にて(8月27日)。ちょっと花付きの悪い個体でした。

残念ながら、花は終わりの時期で、あまりよい状態ではありませんでした。これでは、きれいな花かどうかよくわからん・・・ということで、昨年の飛騨で撮影した個体も掲載します。

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岐阜県高山市にて(8月3日)。花の時期は比較的長いですが、8月上旬が見頃。

どうですか。きれいでしょう?特にこの個体はきれいだなーと個人的に思いました。花の形が涼しげで、夏にピッタリです。このクサギは花がきれいなだけでなく、実になってもきれいなのです。

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岐阜県高山市にて(10月6日)。赤と黒コントラストは鳥に受けがよいようです。

ちらは同じ個体の秋の写真です。赤色が強くなって、夏とはまた異なった雰囲気になります。赤色は萼の部分が濃く着色することによっておこります。これだけきれいな花や実をつける木ですが、流通することはまずないと思います(これまで庭木としては見たことないです)。その理由としては、そこそこ大きくなり、横に張り出すような樹形を形成するため、庭木にむかない点。葉が大きく、剪定すると形が整わない点が考えられます。まあ、野山に普通にあるので、庭木にする必要性はないですね。

クサギは新分類体系ではシソ科クサギ属(旧分類ではクマツヅラ科)の落葉低木(らくようていぼく:冬に葉を落とす、4m程度以下の木本)で、日本全国に分布します。平凡社の図鑑では北海道にも分布することになっていますが、北海道や北東北では私は見たことがないので、寒冷地では生育量が少ないものと思われます。先駆性の植物で、林縁に生育します。

クサギの特徴は次の3点です。
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①葉:長い柄のある三角形状の葉を対生します。葉身(ようしん:柄を除いた葉の部分)部分は大きなものでは15cm以上になります。葉裏の脈上には白い短毛が密生し、特に若葉では葉全体に白短毛が密生します。葉をちぎってもむとゴマに似た感じのくさい匂いがします。名前はこの匂いに由来するようです。
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②花:茎の先に多数の花が集まった平坦な花序つけます。花は先が深く5裂した筒状の白い花で、直径2cm程度、基部には大きなピンク色の萼があります。雄蕊がかなり長くとび出し、花の筒状の部分の長さの倍以上あります。
③実:てるてる坊主のような実がつきます。頭の部分が実で黒色、体の部分は萼で鮮やかな赤色です。

似たような植物はあまりありませんが、本州南部や島嶼にはショウロウクサギ、シマクサギなどがあるようですが、私は見たことがないので、違いはちょっとわかりません。