梅雨時の花-200.アカメガシワ-
アカメガシワはよく見る植物ですが、花はなかなか気づかないことが多いです。
岐阜県関市にて(7月1日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。
気づかないというのは語弊があるかもしれません。気づいているけど、気にしないため、なんとなく記憶に残らない・・・、そんな感じの花でしょうか。
それを裏付ける発見がありました。アカメガシワは雌雄異株(しゆういかぶ:雄株と雌株にわかれる)なんですねー。
こちらは雄株。雄蕊の淡い黄色が目立ちます。遠くから気づくのは雄株ですね。
淡い黄色の雄蕊がフワッとしていて、よく見るときれい。
こちらは雌株。遠くからはあまり目立ちません。
赤味を帯びた大きな雌しべが目立ちます。たくさんか花粉がキャッチできそう。
「普段調査しながらそんなことも知らんかったのー」と怒られそうですが、そんなもんです。多くの植物の名前は知っていても、それらの生態を全て覚えているわけではありません。むしろ生態については知らないことが多いし、図鑑に書かれていない生態もたくさんあります。知らないことが多いから、飽きずに楽しめるのだと思います。
アカメガシワはトウダイグサ科アカメガシワ属の落葉高木(らくようこうぼく:冬に葉を落とす、10m以上に成長する木)で、本州(宮城県以西)、四国、九州、琉球に分布します。日本の野生植物(平凡社)では高さ15mに達するとありましたが、そこまで大きな個体に出会うことは稀で、目にするのは4~8m程度の低木か小高木が多いと思います。鳥によって種子が散布されるタイプの先駆樹種(せんくじゅしゅ:森ができる際に最初に定着するような木々)で、草地や林縁といった明るい環境に多いです。先駆樹種の多くは寿命が短いので、大木があるような樹林には生育していません。
アカメガシワの特徴は次の3点です。花が無くても葉で見分けられます。
①生態:樹高数mで花を咲かせます。
②葉のつき方と形:長さ15cm前後の長い柄のある大きな葉を互生(ごせい:葉が交互に着く)します。葉身(ようしん:柄を除いた葉の部分)は楕円形から広い楕円形で先はすらっととがります。大型の個体や上部の葉では細身の葉がつくことが多く、若い個体や下側の葉では広めの葉がつき、浅い3裂状になることが多いです。
③葉の毛と色:若葉の両面には褐色の星状毛(せいじょうもう:星の形をした毛)が多く、裏面の星状毛は古くなっても残ります。名前のとおり、若葉は赤色になります。