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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春をつげるヤナギ-121.タチヤナギ-

ヤナギの花の写真ありました!タチヤナギの満開の写真です。

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タチヤナギ雄花の写真。新潟県新潟市(5月1日)。花はみな撮影場所、撮影日同じ。

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満開です!ヤナギといえども、満開だと少しきれい(笑)。

タチヤナギはネコヤナギよりも花の時期が遅いため、私の現場シーズンでも、花の写真を撮ることができます。地方によって違いはありますが、ゴールデンウィーク前後に咲きます。春をつげるヤナギの仲間の中では「寝ぼすけ」さんです。


タチヤナギはヤナギ科ヤナギ属の落葉小高木(らくようしょうこうぼく:冬に葉が落ちる木。高さの決まりはないですが、たいてい58m程度)です。小高木なんて言葉、あまり聴きなれないですが、図鑑などではたまに出てくる言葉です。高木ほど高くもならないけど、低木よりは高い、みたいな雰囲気です。タチヤナギは北海道・本州・四国・九州に分布し、ネコヤナギと同じくらいポピュラーなヤナギです。でも、ネコヤナギとは生育環境が異なり、河川の中流より下流側の河畔や、池沼のほとりに生育します。ネコヤナギが流れの速い河川の水辺に生えるのに対し、タチヤナギは流れの緩い水辺や、止水の水辺に生える感じです。
河川によっては、タチヤナギ単独でまとまった樹林を形成することがあります。

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タチヤナギの樹林。これで3m程度です。新潟県新潟市にて(5月1日)。

タチヤナギの特徴は、次の4点です。


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年中水につかっていても大丈夫!神奈川県茅ヶ崎市にて(7月1日)。

①生育場所:流れの緩い水辺や止水の水辺に生育します。河畔の土壌は泥質のところが多いです。水に浸かって生える時もあります。
②大きさ:小低木です。たいてい36m程度だと思います。
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③葉:葉は互生(ごせい:葉が交互に着く)細長い楕円形、先がとがります。無毛で、葉の裏面は最初白っぽいですが、後に淡い黄緑色になります。この白さの加減が類似種のジャヤナギやオオタチヤナギとの違いになるのですが、どの程度を「白い」とするかは、見て覚えるしかないです。このあたりは、ちょっと職人感覚のところがあります。
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④花:雄株の場合、雄花のおしべが3本です(多くのヤナギはおしべが2本)。雌花の場合、子房は無毛で柄があります。

タチヤナギは雄花があれば、簡単に見分けることができますが、葉だけになるとこれといった特徴がないので、区別が難しいかもしれません。でも、逆に考えたら、特徴の無いところが特徴といえるかもしれません。この特徴のない雰囲気を、何度も見て覚えるしかないかもしれませんね。タチヤナギに似たヤナギとしては、ジャヤナギ、オオタチヤナギ、エゾヤナギがあげられます。