身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

宮城県石巻市北上川下流

北上川は東北地方最大の河川です。岩手県岩手町の「ゆはずの泉」を水源として、南へ流れ、宮城県で海に注ぎます。そんな北上川下流域を訪れました。北上川下流域は宮城県登米市新北上川旧北上川に分けられます。名前からもわかりますが、新北上川は明治時代の治水対策として整備された放水路です。今回は、両方の河川を見てきました。

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新北上川下流域です。放水路というとコンクリートで固められた直線的な河川をイメージしますが、広いヨシ原が部分的に残されています。

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川幅は広く、私のカメラではおさまりきれません。流れは見た目殆どなく、上下流がわかりません。大河だけに水は濁っています。

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こちらは旧北上川下流域です。こちらも広くて私のカメラではとらえきれません。川の雰囲気は新北上川と似ていますが、部分的に山の斜面がせりだしていて堤防のない区間があります。そのため、旧北上川の方が、若干自然の流れという雰囲気があります。

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水際に立ち枯れていたヤナギが多数ありました。東日本大震災のときは津波が川を遡上して大きな被害が出ました。このヤナギはその時の塩害によって枯れてしまったのかもしれません。よく見ると、根元から新しい芽を出してきているのが見えます。たくましいものです。植生は確実に回復してきているようです。

河川敷のヨシ原や、うっそうとしたヤナギ林は動物たちにとっては絶好の生育場所です。ただ、うっそうとした植生の中は思ったより植物の種類は多くありません。植物を探すなら、釣り人が歩く道沿い、草刈が行われる高水敷と低水敷の境界、水際、低茎の草地なんかが狙い目です。今回も、そんな場所で多くの植物に出会えたのですが、天候不順で殆ど写真がとれませんでした(涙)。

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エゾミソハギミソハギよりも冷涼な地方に生育します。お盆の花ですね。

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イヌゴマ。変種のエゾイヌゴマかもしれませんが、まだ調べていません。

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サンカクイ。夏以降はスゲ属以外のカヤツリグサ科の季節ですね。


石巻市には震災の翌年に訪れ、想像を絶する被害の大きさに言葉を失いました。現在は、堤防、農地、町並みもだいぶ元に戻り、場所によっては震災の被害があったことを感じさせません。その一方で、震災後から時が止まっている新北上川の河口付近の大川小学校の前を通った時は、なんともいえない複雑な思いが横切りました。災害は忘れた頃にやってくると、よく言います。この災害を忘れてはいけないな・・・と思いました。あらためて、この災害で亡くなった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。