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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

丹沢で出会った植物-153.ミヤマイボタ-

稜線上を歩いているととてもよい香りがしてきました。足元に白い小さな花が多数落ちています。ふと付近をみまわすとミヤマイボタの花が満開でした。

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神奈川県清川村にて(7月14日)。下向いて歩いていても香りで存在に気づきます。

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撮影日・撮影場所は上に同じ。この木は4m程度の立派な木でした。

ミヤマイボタはトイレの芳香剤でお馴染みのキンモクセイと同じモクセイ科の植物なので、よい香りがするのは納得ですね。ミヤマイボタはイボタノキ属の落葉小高木(らくようしょうこうぼく:冬に葉を落とす、48m程度の木本)で北海道・本州・四国に分布し、主に山地に生育します。イボタノキ属の仲間は種数は多くないのですが、けっこう似ているのが多く、私にとってはやっかいな仲間です。でも、丹沢産地で出会うイボタノキ属なら、ミヤマイボタと思って間違いないと思います。

ミヤマイボタの特徴は次の3点です。
①生育環境:冷涼な地域に多いです。
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②葉:葉は全縁(ぜんえん:葉の縁にギザギザがない)対生(たいせい:葉が対になって着く)します。葉の先端はとがり気味で、狭楕円形からひし型に近い楕円形になり、脈上などにまばらに毛があります。
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③花:花はラッパ型で、雄しべは飛び出ます。萼は無毛です

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イボタノキ。よく似ていますが、葉先は少し丸味をおびます。神奈川県茅ヶ崎市(5月20日

よく似たものとしてはイボタノキがありますが、イボタノキは平野部に多く、葉先はとがらず萼は有毛です。イボタノキよりもオオバイボタの仲間との方が似ていて、東北地方南部や新潟の海沿いでは、どっちだろう?という感じのものに出会いました。この違いを説明しようとすると、自分もよくわかっていないだけにかなり長くなりそうなので今回はやめときますが、典型的なオオバイボタは葉が無毛で、花序は大型です。