身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

阿寒湖-(北海道釧路市)-

北海道の夏の朝は早く、4時前から明るくなります。年齢を重ねると、目覚まし時計をかけなくても明るくなると起きてしまうですよね~。夜遅くまで起きて仕事なんかしていると睡眠不足になるので、最近は早く寝て朝起きて仕事をすることにしています。しかし、4時に目覚めるなんて…。

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6月中旬の朝の阿寒湖。あいにくの曇り空でした。

今回は珍しく仕事で観光地に宿泊しました。しかも阿寒湖という超有名観光地に!「早起きは3文の得!」ということで早朝の阿寒湖散策にでかけてきました。

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ボッケ遊歩道の地図。散策路はいくつかあるようです。

阿寒湖というとマリモが有名ですが、野生のマリモは湖底に沈んでいるし、生育箇所は一般の人が立ち入れないエリアなので、当然見ることができません。でも、阿寒湖はマリモだけではなく、周囲の自然環境も一級品なので、是非とも散策してみて下さい!今回は散歩気分で楽しめる「ボッケ」遊歩道を紹介します。植物を見ても1時間チョイくらいで、朝の散歩にもってこいです。スニーカーでまわれるので超オススメです。

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入口付近の明るい針広混交二次林。奥に歩いていくともう少し暗くなる。

最初は「ボッケ」に向かって内陸側の遊歩道を歩いていきます。遊歩道周辺はトドマツ、ハリギリ、シナノキ、エゾイタヤ、オニグルミ、ヤチダモ、オヒョウ、カツラ等の混生した樹林です。北海道の広葉樹の代表種ともいえるミズナラは少なく、ヤチダモ、オヒョウ、カツラなんかが生育していることから、明瞭な沢ではないですが、比較的湿った環境なのかもしれません。

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エゾノレイジンソウの群生の様子。ちょっと花は地味ですが見事な群生。

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花の形が有名な花に似ています。

湿った樹林の林床ではエゾノレイジンソウが花盛りでした。この花を見て勘のいい方は、すぐになんの植物の仲間かわかるかもしれません。毒草トリカブトと同じ仲間です!でもレイジンソウの仲間は無毒なので、近づいて触ったりしても大丈夫です。

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「ボコッ」とガスが噴き出している瞬間をとらえたかったが難しかった…。

エゾノレイジンソウの花畑を過ぎると、「ボッケ」に到着です。「ボッケ」は100℃以上の泥が火山ガスとともに絶えず噴出している場所で、泥地獄みたいな雰囲気です。「ボッケ」周辺はこの地熱のおかげで冬場も雪がつもらず比較的暖かいようで、暖地の植物や昆虫が生息しています。

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「ボッケ」周辺のイヌエンジュ低木林。低木林と草地になっていました。

遊歩道沿いでは特に暖地の植物は見当たりませんでしたが、このあたりには妙にイヌエンジュが多かったです。このような環境と何か関係しているのかな?

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湖畔の遊歩道。どこもこれ以上のしっかりとした遊歩道が整備されている。

「ボッケ」からの帰り道は湖畔沿いのミズナラが多くまじる明るい樹林を歩きます。天気がよければ湖畔の先に雄阿寒岳が見えたりするようですが、今回は何も見えませんでした。そんな残念な景色でも、驚きの植物の出現でメチャクチャ朝からテンションがあがりました。私的には「こんな激レアな植物が、こんな身近にあっていいのか~っ!」と叫びたい気分でした(笑)。今回出会えたレアな植物達。

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エゾヒョウタンボク。なんてことない木ですが環境省の絶滅危惧II類です。これは今までにちょくちょく見たことがあります。

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クシロワチガイソウ。釧路の名前のつく植物で、これも絶滅危惧II類。残念ながら花は終わっていました。でも見るのは10年ぶりぐらいでしょうか。

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アカスゲ。北海道東部でしか見られない珍品。結構な珍品ですが絶滅危惧II類。以前別な場所で見た時は実のないボロボロの個体で、ふーんという感慨しか得られなかったが、今回は状態のよい個体ですごくうれしかったです。

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フォーリーガヤ。このルートで一番の珍品!どこにでもあるような雑草ですが、北海道にしかなく、環境省の絶滅危惧I類に指定され、絶滅が心配されている植物です。そんな貴重な植物がまさか遊歩道沿いにあるなんて驚きです!これは是非とも見守ってほしい植物です。

とても地味ですが、とにかく珍しい植物が遊歩道沿いに出現します。ポケモンゴーをやっているような気分(町中を歩くだけでレアなものに出会えるあの感覚)になってしまいました。

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北海道では普通に見られるゴゼンタチバナ

マニアックな植物だけでなく、きれいなゴゼンタチバナ等もあるので、訪れた際は阿寒湖の貴重な自然を体験してみて下さい。