身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

梅雨に似合う花-147.ハマボウ-

ハマボウは梅雨に似合う花というよりかは、梅雨空を吹き飛ばせといったイメージでしょうか。黄色の大きな花は、これからやってくる夏空にピッタリです。

イメージ 1
愛知県田原市にて(7月8日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

イメージ 2
黄色がとても鮮やか!夏にピッタリです。

「こんなにきれいな花が日本の野生植物にもあるんだ~」というのが、この植物を最初に見た時の感想でした。園芸種のように整った大きな花ですから、そう思うのも無理はないです。しかも、海辺にポツンとあることが多く、園芸植物が流れ着いて生育しているのかな?と思うくらいでした。しかし、ハマボウは正真正銘の在来植物です。
ハマボウアオイ科フヨウ属の落葉低木(らくようていぼく:冬に葉を落とす、4m程度以下の木本)で、背丈は5m程度にまで成長します。本州(関東南部・東海・紀伊半島・中国地方)、四国、九州の海辺の塩生湿地周辺に生育します。本来は海辺でまとまった樹林を形成する植物のようですが、私はそのような立派な樹林は残念ながら見たことがありません。もう少し南国に出かければ見られるのかもしれません。

イメージ 3
在来の植物で大輪の花をこれだけたくさんつける植物も少ないと思います。

海辺は防潮堤や河川の護岸、埋立て等、人為的な改変の影響を強く受ける環境です。私が見たハマボウは、そのような改変の影響を受けながらも、がんばって生きている個体のようです。実際、多くの地方でレッドデータ植物として記載されています。ハマボウの属名はラテン語でハイビスカス!南国の象徴ともいえる和製ハイビスカスは、とてもきれいな花なので観光資源としても有効なような気がします。ハマボウが生育できるような環境を残し、現存している個体については極力保護してあげてほしいものです。

ハマボウの特徴は次の3点です。
イメージ 4
①生育環境:海辺の塩生湿地周辺に生育します。マングローブのように水中にはえることはありません。あくまでも湿地周辺の適当に湿った陸地に生育します。
イメージ 5
②葉:葉は互生します。形は円形もしくは、縦よりも横幅が広くなる楕円形です。大きさは5cm前後。葉の裏は短毛を密生し白くなり、さわった感じは薄い革質です。
イメージ 6
③花:直径10cm程度の黄色の大きな花が咲けば、見間違う植物はありません。

似たような植物としては小笠原、屋久島、種子島琉球地方に生育するオオハマボウがあります。ハマボウよりも大型で、分布は重ならないようです。
そろそろ梅雨があけるかな~。もうすぐ夏休みだ~!(私は殆ど夏休みありませんが・・・)