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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春をつげるヤナギ-124.ミヤマヤナギ-

陸好きのヤナギをもう1種紹介します。ミヤマヤナギです。

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青森県横浜町にて(5月20日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

ミヤマヤナギはキツネヤナギよりもさらに水辺から離れます。なんと、ミヤマヤナギは山地帯から亜高山帯ぐらいまで分布します。「高い山にヤナギ!?」とは意外かもしれませんが、高山帯にしか出現しないようなヤナギも何種かあります。ヤナギの仲間は低地の水辺から高山まで生育できる、生育環境の広い分類群なんですね。
今回紹介した個体は標高400500mとかなり低い場所で撮影しました。ただ、撮影場所は緯度の高い青森県です。冷涼な地域では標高の低い山地まで降りてくるようです。
ミヤマヤナギはヤナギ科ヤナギ属の落葉低木(らくようていぼく:冬に葉が落ちる木。高さの決まりはないですが、たいてい4m未満)で、北海道、本州(中部以北)に分布します。低地に生育するヤナギほどではないですが、パッチ状にまとまった群落を形成します。

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稜線上のミヤマヤナギ群落。これで直径4-5m程度の広がりです。

ミヤマヤナギの特徴は次の4点です。同定はかなり難しいので、図鑑も参考にしたほうがよいと思います。
①生育場所:亜高山帯から山地帯の上部に生育し、尾根にも出てきます。

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②大きさ:低木で、たいてい1m前後です。
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③葉:葉は互生(ごせい:葉が交互に着く)し、丸っこい楕円形。若葉には少し毛がありますが、古い葉は無毛になります。表面は少し光沢がある感じで、裏面は白っぽくなり、葉脈があまり隆起しません。かなり特徴のない葉です・・・。
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④花:ヤナギは雄株と雌株があるのですが、雌株の方が同定しやすいので、雌株を探したほうがよいです。子房は無毛で短い柄があります。柄のつけねに苞(ほう)という鱗状の葉のようなものがあるのですが、殆ど無毛かわずかに毛があります。

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とりあえず、この前に紹介したキツネヤナギと一緒に生育していたので、葉を並べてみました。ミヤマヤナギとキツネヤナギは葉脈の形状と雰囲気がだいぶ異なります。