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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北国で出会った植物-112.ハンゴンソウ-

この植物も涼しい地方で目立つ花の一つでしょう。ハンゴンソウです。

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北海道稚内市にて(9月2日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

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林縁などに多く、背が高く群生するので目立ちます。

丈は12m程度で、花が咲く頃は人の胸の高さより大きいものが多いと思います。鮮やかな黄色の花をつけ、群生します。遠目に見ると、セイタカアワダチソウ?と思う方もいるかもしれませんが、花の付き方が違います。
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セイタカアワダチソウの花は、先っぽに行くほど狭くなりますが、ハンゴンソウは先の方がお皿を伏せたように広くなります。この違いに気づけば、かなり遠くからでも違いはわかります。もちろん、近づけばセイタカアワダチソウとは全く異なるので、誰が見ても間違えることはないです(笑)。

ハンゴンソウはキク科キオン属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつけるで、北海道・本州中部以北に分布します。谷沿いの明るい樹林や、林縁、草地に生育します。草地とは言っても、本州の平野部の草地に生えることは少なく、山地の草地に主に生育します。生育場所から見ても、平野部の河川敷に群生するセイタカアワダチソウとは全然違います。

ハンゴンソウの特徴は次の3点です。葉の形が特徴的なのですぐに覚えられます。
①大きさ:花が咲く頃には1.5m前後に達します。
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②葉:羽状に1-2回深く切れ込みます。言葉で説明すると難しいので写真の形状を覚えるのがよいと思います。茎の上に着く葉や、小型の個体の葉は分裂しないことがあります。
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③花:直径2cm程度の黄色の花を多数つけます。皿をひっくり返したようなこのような花序を散房花序(さんぼうかじょ)と言います。大きな個体ではこのような散房花序をたくさんつけます。


似たような植物にはキオンという植物があります。キオンはハンゴンソウよりは少し小ぶりで、葉は分裂しません。通常間違えることはないと思いますが、小型のハンゴンソウだと葉の分裂が少なくなるので、ちょっと注意が必要です。
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キオン。これは平均的な個体よりも少し小型です。神奈川県清川村にて(9月19日)。