身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

山梨県富士河口湖町 パノラマ台

青木ヶ原樹海を見た後に、天気がよかったのでパノラマ台と呼ばれる展望台に登ってきました。パノラマ台は1/25,000の地形図にも出ている展望台で、精進湖の湖岸付近から1時間ほどで登れる展望台です。道もしっかりと整備されていて、老若男女、犬も気持ちよく登れると思います。

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木漏れ日が心地よい登山道(10月12日)。

せっかくなので、この登山道沿いの植生も観察して来ました。
登り口の標高は約920mで、1050mぐらいまではコナラが多い二次林(にじりん:原生林が人為的もしくは自然災害で破壊された後に、自然に再生した森林。一般的には若い林が多い)です。全体的に細い木が多く、コナラの他、ミズナラ、アカシデ、ウラジロモミ、アオハダなどが生育します。

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コナラ二次林。紅葉はまだです(10月12日)。

1050m付近よりも高い標高になると、ミズナラが目立ち始めます。ただ、ミズナラの樹林も木が細く、二次林であることがわかります。ミズナラ林ではブナ、イヌブナ、アカシデ、ハウチワカエデ等が生育します。ミズナラ林の方が標高の高い場所に成立するため、コナラよりも明らかに色づきが早いです。紅葉が始まってきており、気持ちよく歩けます。

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ミズナラ二次林。少し紅葉が始まっています(10月12日)。

標高1200m付近。谷っぽい急斜面が部分的に出てきました。このような少し不安定な斜面ではイヌブナが優占し、ケヤキ、ミズキ等が特徴的に出現していました。ちょっとした斜面の違いで生育する植物が異なるんですね。面白いです。

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イヌブナ群落。急傾斜地で斜面が不安定です。萌芽している木がイヌブナ(10月12日)。

標高1270mくらいです。小面積ではありますが、大きなブナの多い自然林が出てきました。人の利用がなければ、この標高のミズナラ二次林はブナ林だったのだろうな~と推測できます。パノラマ台の標高は約1300m。このブナ林が出てくれば、もう少しです。


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登山道沿いには少ないブナ自然林。ブナの大木が出現します(10月12日)。

パノラマ台からは、眼下に青木ヶ原樹海を従えた、広大な富士山を眺めることが出来ます。初冠雪後の秋晴れで、最高の景観でした。

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