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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

平地の秋の花-83.ナミキソウ-

シソ科つながりで、ナミキソウを紹介します。

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北海道稚内市の海辺ではなく、海辺から数キロ離れた草地にて(9月3日)。以下撮影場所、日時同じです。

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は鮮やかな青紫色で、2つ並びます。

ナミキソウはシソ科タツナミソウ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道~九州に分布します。国内の分布は広いですが、あまり目にすることはなく、ちょっと珍しい植物です。「日本の野生植物」(平凡社図鑑)では生育場所が海浜砂地と書いてありますが、典型的な海浜植物ではないような気がします。海辺の草地で見たこともありますが、少し内陸の草地でも見かけます。ですから沿海地の草地に生育するといった感じでしょうか。当然ながら、海のない岐阜県には、分布しないようです。

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わりと群生していることが多く、花が咲くと目立ちます。

タツナミソウの仲間は初夏に咲くものが多いですが、ナミキソウは晩夏から秋に咲きます。また、タツナミソウの仲間の中でも特に大きな花をつけます。群生しているとかなり綺麗です。
ナミキソウの特徴は次の3点です。
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①茎:肉眼で見える程度の細かい毛が多いです。
②葉:葉は対生(たいせい:葉が対になって着く)し、葉先は丸味を帯びます
③花:花序(かじょ:花の集まり)をつくらず、花は葉の腋に1個つきます。花は鮮やかな青紫色で長さは2cmくらいあります。

花が咲かないとなかなか覚えづらい植物ですが、花が咲けばわかりやすい植物だと思います。似た植物にはエゾナミキソウがあり、こちらは全体的に毛が少なく、葉先がとがることで区別されます。ただ、たまにどちらか迷うような個体もあるので、多くの個体を確認するのがよいと思います。