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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

平地の秋の花-78.アキノウナギツカミ-

イヌタデ属は秋の代表的な花なので、もう少し続けます。アキノウナギツカミです。

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水辺に生育していたため泥をかぶっています。神奈川県茅ヶ崎市(10月19日)にて。

アキノウナギツカミはこれまでのイヌタデ属と異なり、茎に刺があります。イヌタデ属の植物はイヌタデのように茎に刺がないグループと、このアキノウナギツカミのように茎に刺があるグループの2つに大別されます。

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だらしなく他の植物によりかかり群生します。神奈川県茅ヶ崎市(10月19日)にて。

アキノウナギツカミのグループは、つる植物とまではいきませんが、他の植物によりかかるようにして、長く伸びます。刺は他の植物にひっかかるのに有効なのでしょう。名前の由来は、ウナギをつかみとれるほどの刺を持つという意味ではないかと、推測します。確かに刺は鋭く、人間ならばひっかき傷ぐらいはつきます。ウナギがつかみとれるか、試してみたいところです。
アキノウナギツカミはタデ科イヌタデ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、北海道~九州に分布します。河川や水路沿いの水辺や湿地に生育します。

アキノウナギツカミの特徴は次の4点です。
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頭状に着く花。神奈川県茅ヶ崎市(10月19日)にて。

①茎:四角形で陵に下向きの鋭い刺が密にあります。
托葉鞘(たくようしょう):葉の付け根にある筒状のものが托葉鞘と呼ばれるものです(写真参照)。この托葉鞘が完全な筒ではなく、斜めに切れています。托葉鞘は1cmぐらいです。
③葉:形がポイントです。細長い楕円形または細長い卵型で、基部は顕著な矢じり型です。
④花:花は球状に多数が密生します(植物用語で頭状と表現します)。花の色は淡いピンク色か、白色です。

茎に刺のあるイヌタデ属の中では、アキノウナギツカミは割と普通に見ることができます。似た植物には、アキノウナギツカミに似て春に開花するウナギツカミがあります。ただ、これが微妙で、7月頃に咲いていると、ウナギツカミ?アキノウナギツカミ?と悩みます。“これがウナギツカミだ!”という個体に出会いたいものです。