平地の秋の花-76.オオイヌタデ-
筆が遅いのと、現場続きで、夏の花はあまり紹介できませんでした・・・。秋の花はいっぱい紹介したいです。最初の植物はオオイヌタデです。
濃いピンク色の花のタイプ(東京都日野市.7月8日)
こちらは白色のタイプ(東京都日野市.7月8日)。
オオイヌタデはタデ科イヌタデ属の一年草(いちねんそう:生育不適期を種子過ごし、発芽から結実までが1年以内の植物)で、北海道~九州に分布します。夏の後半から秋にかけてはイヌタデ属の観察に最適です。イヌタデ属の植物は種類が多いので覚えるのも大変ですが、逆に種類が多い分、調べがいがあります。そんなイヌタデ属の中でもオオイヌタデは、大きいものでは2m近くになり、名前のとおり大型で、比較的覚えやすい種だと思います。中流より下流側の河川敷の水辺では優占群落を形成することも多く、かなり目立ちます。
オオイヌタデの特徴は次の4点です。
①個体サイズ:大きいものでは2m程度。通常の大きさでも1m程度はあると思います。ただ、1年草なので、環境や生育状況で小型になることもあり、大きさだけでは種は決められません。
②托葉鞘(たくようしょう):葉の付け根にある筒状のものが托葉鞘と呼ばれるものです(写真参照)。この托葉鞘の縁に毛がないのが特徴です。
③葉:葉も大きいですが、側脈の中脈に対する角度が広く、側脈の本数が20程度と多いのが特徴です(側脈の本数は小型のものでは少なくなりますが、類似種のサナエタデと比較すると同じ大きさの葉でも明らかに側脈の数が多くなります)。
④花:花は多数が密生します。