春の畦に咲く植物-48.ノミノフスマ-
ナデシコ科の植物のノミノフスマです。
名前に“ノミ”とつくだけに、草丈10cm程度の小型の植物です。水田の畦にも生えますが、内部に多いです。また、湿った環境を好むので、河川敷の水辺などにも生育します。
ノミノフスマの特徴は次の3点です。
①茎:草丈は10cm程度。茎は葉とともに無毛。
②葉:葉は卵形~狭卵形(きょうらんけい:狭い卵形)で無毛。葉先はとがり気味。
③花:花は直径8-10mm程度。花弁は10枚のように見えますが、1枚の花弁はV字状となっているため、実際の花弁は5枚です。ただ、花弁が10枚のように見えるというのは特徴です。花弁は萼片よりも長いです。
ハコベ属は似たような植物が多いですが、平野部で小型のものなら、ノミノフスマとみてよいでしょう。
コハコベは葉に柄があります
姿とともに、名前が似ているものにノミノツヅリがあります。ノミノツヅリは茎や葉に毛があります。花弁がV字状じゃないので、明らかな5枚という点で見分けられます。
ノミノツヅリは花の形が違います。葉や茎に毛があります
ただ、名前が似ているので、区別が出来ても、ノミノフスマだっけ?ノミノツヅリだっけ?となることがあります(私だけ?)。そんな時の語呂合わせ。ノミノツヅリの“ツヅリ”とは粗末な衣服という意味なので、ノミの衣服という意味みたいです。衣服には毛があるから、ツヅリには毛があり、フスマ(襖)には毛がないと私は覚えていました。ただし、ノミノフスマの“フスマ”は部屋にある襖ではなく、寝具という意味のようです。