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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

春の畦に咲く植物-49.オオイヌノフグリ-

オオイヌノフグリは説明いりませんね。この鮮やかな空色の花は間違えるものはありません。
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群生して咲くと、とてもきれいですネ

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日本全国に分布するので、在来種のように見えますが、ユーラシア原産の外来種です。

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名前の由来は、ご存知の方も多いと思いますが、実の形が犬の睾丸に似ているため、いぬのふぐり(睾丸)だそうです。直接的です。オオイヌノフグリイヌノフグリよりも大きいから“オオ”とつきます。
オオイヌノフグリゴマノハグサ科クワガタソウ属の越年草(えつねんそう:秋に発芽して冬越し、翌春に開花・結実して枯死する)です。水田の畦、畑地、路傍といった人里周辺に生育します。
オオイヌノフグリの解説は省略しますが、写真を撮っていて面白いことに気づきました。
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オオイヌノフグリの葉は下部で対生(対生:葉が対になって着く)するのですが、上部では互生(ごせい:葉が交互に着く)していました。でも、よく見ると、葉が互生している部分は必ず花や実がついていました(全て見たわけではないですが・・・)。
植物用語で、花の柄の付け根に着く葉のことを苞葉(ほうようと呼びます。多くの植物では苞葉は通常の葉と形が異なったり、形が同じでも小さくなったりします。例えば、オオイヌノフグリと同じ属のカワヂシャでは、写真のように通常の葉と苞葉の形が全く異なります。

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オオイヌノフグリは通常の葉(対生の葉)と花柄の下の葉(互生の葉)の形状が殆ど同じため、この場合、花柄の下の葉は苞葉とは呼ばず葉と呼んでよいようです。ただ、互生の部分の葉は意味合い的には苞葉と同じです。苞葉を小さくしなかった意味は何かあるのかな・・・と考えると、少し面白いです。

ところで、“オオ”イヌノフグリがあるのですから、イヌノフグリというのもあります。イヌノフグリは在来種ですが、今では殆ど見ることが出来ません。イヌノフグリ環境省の絶滅危惧植物にも指定されています。私は今までに一度しか見たことがなく、もう一度会いたいと強く願う植物です。