身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

茨城県の小貝川と菅生沼を見てきました

週末に「すげの会」の観察会で茨城県常総市(旧水海道市)を流れる小貝川と、坂東市常総市の境界にある菅生沼に行ってきました。「すげの会」とはカヤツリグサ科スゲ属の植物をこよなく愛する人たちの同好会です。気になった方はHPをご覧下さい。

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小貝川は利根川の支流で、自然性の高い河川環境が残されていることで植物好きの方には比較的有名です。訪れた場所は、河川敷の広範囲にヤナギ林とヨシ原が広がっていました。ヤナギ林の主要構成種はアカメヤナギやタチヤナギが多い感じでした。数週間前に行った信濃川下流とちょっと構成種が異なります。同じヤナギ林でも場所によって違うんですね。
珍しい植物が多いエリアですが、今回は「スゲ」がメインの観察会だったので、紹介する植物もスゲが中心です。

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まずはヤガミスゲ。鮮やかな黄緑色がきれいです。

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ヤナギ林内に生育していたウマスゲ。このスゲは少し珍しいものですが、小貝川にはいっぱいありました。

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これはカサスゲ。群生します。菅笠の材料になるスゲです。

午後から訪れたのが菅生沼(すがおぬま)です。この沼一帯は大雨が降って利根川が増水すると、遊水池として機能するようです。そのため、多くの湿生植物群落が成立しています。

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広い面積を占めるのは写真にも写っているヨシ群落とヤナギ群落ですが、マコモ群落、クサヨシ群落、カサスゲ群落などが見られました。景観的には小貝川と殆ど同じですが、菅生沼の方が一望できる範囲のスケールが大きいです。

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こちらで観察できたのはオニナルコスゲ。冷涼な地方に多い種ですが、関東平野のような暑いところにも生育していたので少し驚きました。

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これはエナシヒゴクサ。湿地より林縁のような環境に多くありました。

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おまけでハンゲショウ。よくビオトープに植えられたりしますが、自生のものはあまり見ないので、自然が豊かな証でしょう。

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アカメヤナギ。風が強くてあまりいい写真がとれませんでした。葉の裏が白くなります。

この日はその他に、ミコシガヤ、アオスゲ、コジュズスゲ、マスクサ、アゼナルコ、クロカワズスゲ、ヤワラスゲ等が見ることができました。スゲの仲間は地味ですが、こうやって写真を並べると、皆それぞれ個性がありますね。そのうち詳しく紹介したいと思います。

関東平野は今となっては人が大勢住み、多くの場所が人為的に改変されています。でも、幕府が江戸に移される前までの、例えば平安時代の超田舎だったころの風景は、どこもかしこも小貝川や菅生沼のような風景だったのかもしれません。今となっては貴重な環境といえるので、末永く残してほしいと思いました。