2015-05-07 春の畦に咲く植物-45.ヤブタビラコ- 林縁・やぶの草 生物学 これがコオニタビラコに似ている、ヤブタビラコです。 写真は複数の個体が近接して生えているため、かなり大型の個体に見えます。ただ、1個体でみてもヤブタビラコはコオニタビラコよりも植物体が少し大きいです。 ヤブタビラコはキク科ヤブタビラコ属の越年草(えつねんそう:秋に発芽して冬越し、翌春に開花・結実して枯死する)で、北海道~九州に分布します。やや湿った林縁などに生育しますが、水田の畔にも生育します。 ヤブタビラコの特徴は次の3点です。コオニタビラコとの違いはコオニタビラコの頁を参照して下さい。 ①茎:茎はだらしなく斜上します。類似種のオニタビラコは茎が直立します。 ②花:花は直径7mm程度で、舌状花(ぜつじょうか)は18-20枚。あと、花の時期は、ヤブタビラコの方が少し遅い5,6月頃まで咲いているようです(コオニタビラコは3,4月)。 ③葉:葉はタンポポを小型にしたような感じです。葉だけだと、コオニタビラコとの識別は難しいです。 私は、ヤブタビラコは名前が示すように、藪もしくは藪に近い水田(谷戸のような細い谷間の水田)に生育するものと思っていましたが、うちの近所の開けた水田にも意外と多く生育していました。藪に生育するという先入観は捨てたほうがよいかもしれません。春の七草の時にコオニタビラコと思って採集した大きめの個体は、今考えると、ヤブタビラコだったのかもしれません。幸い、味的にはコオニタビラコとヤブタビラコに違いはなく(みじん切りだからわかるはずないか・・・)、食べても体調を崩すことはないようなので、安心して食べてもらっても大丈夫です。