春の畦に咲く植物-44.オオジシバリ-
キク科の仲間の花びらのようなものは舌状花(ぜつじょうか)と言います。オオジシバリはタンポポの仲間に比べると、この舌状花の数がだいぶ少ないです。あと、総苞(そうほう)と呼ばれる萼のような部分がオオジシバリは狭いです。これが、華奢に見える理由の一つだと思います。
オオジシバリはキク科ニガナ属の植物で、北海道南部~琉球に分布します。やや湿った明るい場所に生育し、水田の畔や林縁などでよく見られます。ただ、湿地に生育する植物ではないので、ビチャビチャするようなところにはあまり生えません。通常高さは10~20cmくらいで、群生します。
オオジシバリの特徴は次の3点です。
②花:花は2-3cm程度で、鮮やかな黄色です。
③葉:葉は白っぽい緑色で毛がなく、つるっとしています。鋸歯(きょし)はありませんが、よく見ると、点のような突起が少し出ます。茎と共にちぎると白い液が出ます。
オオジシバリもタンポポ同様、比較的目立つ植物です。普通は茎から1-3花程度しかつけませんが、昔、7-8花をつけた大きな個体もありました。ですから、環境によって個体の変化も大きいのかもしれません。似た植物にはイワニガナ(ジシバリ)があります。イワニガナは全体的に小型で、やや乾いたところに多い気がします。