春が旬なスミレ!-38.タチツボスミレ-
山で咲いているものを撮りたかったのですが、時間が取れなさそうだったので、自宅の庭に咲いているもので紹介します。山に生えているものが一番ですが、自宅の庭にあるのもよいものです。種がこぼれて、結構増えます。群生すると見栄えがよいです。
タチツボスミレは茎のあるスミレの代表選手です。日本全国に分布し、明るい樹林内や林縁に最も普通に見られます。タチツボスミレをしっかり覚えておけば、「タチツボスミレと何か違うな~」と思うやつが、別の種になります。
それでは、これはどうでしょう?
茎がないような感じですが、花はタチツボスミレに似ています・・・。実はこれもタチツボスミレです。早春の頃は、まだあまり茎も伸びていないため、スミレのように茎がないタイプに見えることがあります。でも、よくよく見ると、短い茎があるはずです。見る時期によって、雰囲気が異なるので、そのあたりは慣れが必要かもしれません。
タチツボスミレの特徴は次の3点です。
①花:花は2cm前後の大きさで、淡い紫色です。紫色は青味が強い感じです。距は淡い紫色を帯びます。花弁の重なりは狭く、花弁が5枚というのがよくわかります。
②葉:葉はハート型で長い葉柄があります。殆ど無毛。托葉(たくよう:写真参照)は「くし状」です。
③生育環境:明るい樹林内や林縁に生育します。
タチツボスミレに似た種は、オオタチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ等、たくさんあります。また、変種や品種(解説はマキノスミレ参照)もたくさんあります。類似種との違いは、紹介した際に説明しますので、基本種であるタチツボスミレの特徴をインプットしておきましょう。