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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

徳島で出会った植物-25.ヤマネコノメソウ-

水田の植物が続いたので、林縁(りんえん:林の縁周辺)の植物を紹介します。これはヤマネコノメソウです。
 
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ヤマネコノメソウはユキノシタ科ネコノメソウ属の植物で、北海道西南部~九州地方までに分布します。ネコノメソウの仲間はじめっとした湿地や、渓流の脇などに生育する種が多いですが、ヤマネコノメソウはわりと普通の土壌(地表に水がたまっていないという意味)に生育します。ヤマネコノメソウの特徴は次の4点です。
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①生え方:地下茎(ちかけい:地中を長く伸びる根のような茎)などがなく、点々と株状にはえます。
②植物体の大きさ:標準的な個体は高さ1020cm程度で、他のネコノメソウの仲間に比べると大きいです。
③葉のつき方:地際に多く集まり、茎では互生(ごせい:葉が交互に着く)します。
④葉の形:地際の葉の形が特徴的で、長い柄と丸っこい葉が特徴です。写真の個体では葉の直径は2-3cm、柄は7-8cmあります。
 
ネコノメソウの仲間は日本に18種ほどあり、変種等をあわせると、もっと数が多くなります。分類の難しい植物ですが、このヤマネコノメソウは覚えやすい植物です。
ネコノメソウの仲間を分類する際に、おしべの数が重要となることがあります。
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ヤマネコノメソウは通常おしべが8本ですが、この個体は同じ株で、6本や4本の花もありました。ヤマネコノメソウの品種には、ヨツシベヤマネコノメというのがあり、雄蕊が4本で小型とされています。写真の個体は小型ではありませんが、雄蕊は48本…、そうなるとこれは?
ヤマネコノメソウを雄蕊の数だけで分類するのは難しいかもしれません。