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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

徳島で出会った植物-21.コイヌガラシ-

初日から、少し珍しい植物に出会えました。コイヌガラシです。

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コイヌガラシの全体(全体写真がうまくとれなかったため、これは神奈川県産です)

コイヌガラシは“イヌガラシ”と名前につくことから、アブラナ科のイヌガラシなどと同じ仲間の植物です。“コ”とつくだけに、イヌガラシやスカシタゴボウ等の同じ仲間に比べると小型で、高さは15cm程度です。

コイヌガラシはあまり似た植物がないので、すぐに覚えられると思いますが、特徴は次の2点です。
①葉の形と付き方:葉は長さ1-2cmと小型です。葉には柄がなく、数対のとがった鋸歯(葉のぎざぎざ)があります。葉は狭い間隔で茎につきます(小型の割には葉の枚数多い印象を受ける)
果実の形と付き方:果実は柄がなく、葉の腋(植物用語で葉腋(ようえきと読む))に着きます。果実は葉の長さより短いです。
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コイヌガラシ(これは徳島県産です)

コイヌガラシは本州(関東以西)・四国・九州の水田、河原の水辺などに生育します。植物体が小型なだけに、植物が多く生えているような環境には生育せず、裸地的な環境に生育します。そのため、河原などでは植生が遷移すると生育できなくなり、消失します。仕事で、昔生育していた場所に行っても見つからないといったことが、たまにあります。逆に、洪水や河川工事等で新しい裸地的な湿地ができると、急に多数が出現したりもします。コイヌガラシにとっては、耕作や収穫で一時的に裸地となる水田は、継続的に生育できる場所かもしれません。