やっぱり百合はきれいだね-281.クルマユリ-
百合の仲間はすごく珍しい植物じゃなくても、山の中で出会うとうれしいものです。文句なしにきれいですから。冷涼な地方で出会うことの多いクルマユリです。
葉のつき方、花の大きさといい、とても可愛らしいユリ。出会うとテンションあがります。
夏の緑の濃い山の中は意外と花が少ない。そんな森の中で鮮やかなオレンジ色はとても映えます。キラッと輝く宝石のようです。遠くからでも、「あそこにクルマユリがある!」とわかります。一方で、その美しさから盗掘されたり、美味しさ?から近年はシカやイノシシの食害にさらされたりと、地域によっては少なくなっているところもあるようです。見つけても「とる」のは写真だけにしたいものですね。
クルマユリはユリ科ユリ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道・本州(近畿以東)・四国(剣山)の冷涼な地域の明るい樹林内や草地に生育します。名前の由来は葉が1箇所から多数出て、車輪状につくことからきています。容姿が特徴的ですし、名が体を現わしているので覚えやすい植物だと思います。
クルマユリの特徴は次の3点です。
① 全体容姿:腰丈以下の比較的小型のユリです。
② 葉:ユリ科特有の厚みのある両端のとがった狭楕円形の葉が1箇所から複数枚、車輪状につきます。葉の大きさは様々で、脈は平行脈です。
③花:茎の先端に1~数個つき、花色はオレンジ色で、花の直径は5-6cmと小型です。花被片(かひへん:花びら)は6枚で反り返ることが多く、褐色の細点があります。