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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

やっぱり百合はきれいだね-281.クルマユリ-

百合の仲間はすごく珍しい植物じゃなくても、山の中で出会うとうれしいものです。文句なしにきれいですから。冷涼な地方で出会うことの多いクルマユリです。

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北海道北見市にて(7月19日)。下記の写真も撮影場所・撮影日同じです。

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葉のつき方、花の大きさといい、とても可愛らしいユリ。出会うとテンションあがります。

夏の緑の濃い山の中は意外と花が少ない。そんな森の中で鮮やかなオレンジ色はとても映えます。キラッと輝く宝石のようです。遠くからでも、「あそこにクルマユリがある!」とわかります。一方で、その美しさから盗掘されたり、美味しさ?から近年はシカやイノシシの食害にさらされたりと、地域によっては少なくなっているところもあるようです。見つけても「とる」のは写真だけにしたいものですね。

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咲き始めのクルマユリ。咲き始めは花被片が反り返らない。北海道ニセコ町(7月17日)。

クルマユリユリ科ユリ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道・本州(近畿以東)・四国(剣山)の冷涼な地域の明るい樹林内や草地に生育します。名前の由来は葉が1箇所から多数出て、車輪状につくことからきています。容姿が特徴的ですし、名が体を現わしているので覚えやすい植物だと思います。

クルマユリの特徴は次の3点です。
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  全体容姿:腰丈以下の比較的小型のユリです。

  葉:ユリ科特有の厚みのある両端のとがった狭楕円形の葉が1箇所から複数枚、車輪状につきます。葉の大きさは様々で、脈は平行脈です。

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③花:茎の先端に1~数個つき、花色はオレンジ色で、花の直径は5-6cmと小型です。花被片(かひへん:花びら)は6枚で反り返ることが多く、褐色の細点があります。

花が咲けば間違える植物はありませんが、葉だけだとクルマバツクバネソウが少し似ています。クルマバツクバネソウの葉の枚数の方が少なく、大きさが揃い、平行脈が明瞭に結合するといった違いがあります。慣れれば葉のない小型の個体でも両者を見分けることができます。