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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

2017年の出会いベスト5-220.ミヤマウラボシ-

シダが苦手な私でも、このシダは一見してミヤマウラボシだろうと見当がつきました。少し珍しいシダで今回が初見でした。

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今年の出会い第4位!岐阜県高山市にて(8月4日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

シダの仲間は野外で見ただけではわからないものが多いですが(図鑑を見てもわからんものも・・・)、ミヤマウラボシは全体の形状と生育環境から野外で識別できます。シダの仲間はごくたまに珍しいものを見つけても写真を撮影し忘れていることが多く、家で同定して、「アチャー、写真とってないや・・・」みたいなことも・・・。そういう点でわかりやすく珍しいミヤマウラボシは私のような人(シダ苦手な人)にとっては、ありがたいシダです。

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茎が岩を這い、茎から多数の葉を出すため、岩場に群生します。

この仲間で羽状(うじょう:取の羽のように切れ込む様子)に分裂する仲間は少ないので、検索表を使わずに絵合わせで見分けられます。また、羽状に分裂するこの仲間のシダは暖地に多いのですが、ミヤマウラボシは冷温帯のような涼しい地域に分布する点でも変わっています。岩場にしか生育しない点も特徴的です。

ミヤマウラボシはウラボシ科ミツデウラボシ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道、本州、四国に分布します。

ミヤマウラボシの特徴は次の3点です。
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①全体の形状:羽状に分裂し、羽片(うへん:写真参照)は2~4対で、先はそれほどとがりません。
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②葉:葉の縁には鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があります。葉脈は黒く色づき明瞭です。
③胞子嚢:胞子嚢群(ほうしのうぐん:胞子が入った袋の集合)は円形で、胞子嚢群を覆う楯状鱗片(たてじょうりんぺん:うろこのようなもの)はありません。胞子嚢群は中央の脈の両脇に1列に行儀よく並びます。

ミヤマウラボシと同じ仲間でよく目にするのがミツデウラボシです。ミツデウラボシは葉が分裂しないことも多く、分裂しても羽片は1対で、葉の先がとがる点で異なります。

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葉が分裂していないミツデウラボシ。葉の先がとがる。愛知県設楽町にて(2月6日)。