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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

2017年酉年つながり-172.ノビネチドリ-

鳥にちなんだ名前ではスズメがよく使われますが、チドリ(千鳥)もそこそこ使われます。そんなチドリが名前につく植物で、比較的見やすいのが、このノビネチドリだと思います。

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北海道稚内市にて(6月17日)。以下、撮影場所は同じです。

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きれいな花ですが野外では思ったより目立ちません(6月15日)。

ノビネチドリはラン科ノビネチドリ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)です。北海道・本州・四国・九州の亜高山帯からブナ帯の明るい樹林や林縁に生育します。冷涼な地方に生育する植物なので、北海道や東北地方では比較的よく出会います。珍しいランではありませんが、林道を歩いていて花の咲いている個体に出会うと、やはりうれしいものです。

「チドリ」という名前は、ランの仲間で多く使われ、ハクサンチドリ、コアニチドリ等いくつかあります。多分、花の形をチドリが飛んでいる様子にみたてたのだと思います。植物体はやや大型で、鮮やかなピンク色の花を多数つけ、写真で見るとかなり存在感のあるランのように見えます。ただ、個々の花が小さいため、野外で見るとそれほど存在感をアピールしていません。群生もせず、ポツ、ポツと生えるので、木陰でひっそりと咲いているイメージがあります。

ノビネチドリの特徴は次の3点です。
①個体の大きさ:直立して30-50cmぐらいになります。膝丈以下です。
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②葉:10cm前後の楕円形から広い楕円形の葉を4-8枚つけます。葉は縁が波打ち、縦の脈が目立ちます。
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③花:花数は多いです(50以上)。色は鮮やかなピンク色ですが白花もあります。花の大きさ(幅)は1cm未満。花の下にある苞(ほう)と呼ばれる葉のようなものは、花と同じ長さか、花よりも長くなります。


ノビネチドリ属はノビネチドリ1種だけなので、これに似たランはありません。科は異なりますがバイケイソウのミニチュアをイメージさせる全体的な容姿も特徴的で、慣れれば花無しでもわかります。
鳥の名前つながりで、この後ミヤマウズラを紹介しようと思いましたが、ピンボケ写真ばかりだったので、このシリーズはこれが最後となります。