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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

庭の雑草-13.ハナイバナ-&-14.キュウリグサ-

以前にロゼットを紹介したハナイバナとキュウリグサですが、春になり花をつけました。うちの庭にあるのはキュウリグサだけですが、畑にあったハナイバナとあわせて紹介します。

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こちらはハナイバナ。花の目立たない植物です。岐阜県関市にて(6月20日)。

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キュウリグサの群生。群生していますがわかりづらいです。岐阜県関市にて(4月23日)。

ハナイバナとキュウリグサはどちらも園芸店で出回っているワスレナグサに近縁の植物です。全体的に見ると、とても地味でワスレナグサに全く似ていないのですが、花1個を比べてみると、ワスレナグサに似ていることがわかります。
ハナイバナはムラサキ科ハナイバナ属の越年草(えつねんそう:秋に発芽して冬越し、翌春に開花・結実して枯死する)で、日本全国の耕作地周辺、路傍等に生育します。キュウリグサムラサキ科キュウリグサ属の越年草で、同じく日本全国の耕作地周辺、路傍等に生育します。両者は似ていますが、属は違います。どちらの植物も全体の形は特徴的なのですが、比較的小型の植物なので、他の草に囲まれると目立たない植物です。

ハナイバナとキュウリグサを比較しながら、両者の特徴を見てみます。
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①大きさと全体の形状:ハナイバナ、キュウリグサとも基部で茎を分枝させ、背丈はたいてい20cm以下です。 
②葉:ハナイバナ、キュウリグサとも葉を互生(ごせい:葉が交互に着く)します。この時期の葉の形は楕円形で長さ13cm程度、鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)はありません。ハナイバナの方が毛深いです。
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③花と萼:ハナイバナ、キュウリグサとも花は直径5mm以下で、淡い水色、筒型の花びらは5つにわかれます。萼も筒型で5つにわかれます。花が終わった後に萼が巨大化(巨大化といっても5mm程度ですが)するのも共通の特徴です。
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④花の付き方:ハナイバナとキュウリグサの大きな違いはこの部分です。ハナイバナは花の下に必ず苞葉(ほうよう:花の下に付く葉)がつきます。キュウリグサはこの苞葉がありません。
ハナイバナ、キュウリグサの花は下から順番に咲いていきます。このように下から上に向かって咲いていく花序(かじょ:花の集合)のことを無限花序と言います。逆に上から下に向かって咲いていく花序は有限花序と言います。決して無限に咲き続けるわけではないのですが、面白い呼び名ですね。