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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

北国で出会った植物-106.エゾイラクサ-

北国でやっかいな植物といえば、このエゾイラクサでしょうか。

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葉の腋から出ているのが花序。花は目立たない。北海道稚内市(7月15日)にて。

この植物は北海道であれば、目をつぶっていてもわかります!普通にやぶを歩いていて、手に「イテッ」と感じたら、その触れた植物はたいていエゾイラクサです(ミヤマイラクサという時もあります)。エゾイラクサを含むイラクサの仲間は、茎にトゲがあり、トゲには蟻酸が含まれています。そのため、このトゲに触れると、電気をさわったような(さわったことないですが)感じで、チクッとした痛みを感じます。

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こんな感じで群生します。これで1mちょいで、背丈は低いほう。北海道稚内市(7月15日)。

エゾイラクサは人の腰丈から背丈ぐらいまで大きくなり、しかも群生します。このエゾイラクサの藪につっこむと、「イテッ!イテッ!」とブツブツ言いながら歩く羽目になります。皆さんも体験すれば、すぐにこの植物を覚えることができると思います。

エゾイラクサイラクサイラクサ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、北海道・本州中部以北に分布します。やや湿った明るい樹林地や林縁に群生します。

エゾイラクサの特徴は次の3点です。葉の腋に多数の目立たない花をつけた5cm程度の花序(かじょ:小穂や花の集合)をつけますが、同定には花があまり関係ないので、今回は省略します。
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①茎:茎には弱々しいトゲがあります。ただ、トゲから蟻酸を出すので、見ためとは異なり、結構、痛いです。
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②葉:葉は対生し、卵形~狭卵形、整った鋸歯(きょし:葉の縁のぎざぎざ)があります。葉の形は変異があり、上部ほど葉が細くなります。
③托葉:托葉(たくよう:葉の付け根にある小さな葉状の付属片)は1対で、2枚つきます。托葉は切れ込みがないです。


似たような植物には、ホソバイラクサ、コバノイラクサミヤマイラクサ、ムカゴイラクサ等があります。いずれも茎にトゲがあり、触ると痛みます。そんな訳で、目をつぶっていては正確に同定ができません(笑)。いずれの植物も葉の形や付き方、托葉の形が識別点となります。