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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

徳島で出会った植物-32.ヒメイタビ-

先に紹介したイタビカズと同じ仲間のヒメイタビです。ヒメイタビもクワ科イチジク属の藤本ですが、イタビカズラとは容姿がだいぶ異なるのですぐに見分けられます。

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“ヒメ”とつくので、イタビカズラに比べると葉はかなり小ぶりです(大きいもので4cmくらい)。でも、つる植物なので、木に這い上がれば、かなり上の方まであがっていきます。

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 黄色の矢印がヒメイタビ。はりついて登っていきます。

ヒメイタビの特徴は次の3点で、特に葉の形が特徴的です。
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①葉の形とつき方:葉は常緑で互生(ごせい:葉が交互につきます)します。葉の形は卵形(らんけい:葉の先の方を頭とした狭い卵形)です。葉の先は尾状(びじょう:細く伸びる感じ)に伸びません。細かい鋸歯(葉の縁のぎざぎざ)はないですが、若い葉は2-3対の大きなものがあります。葉も全体的に毛が目立ち、裏面の脈は顕著に隆起します。
②茎:若い枝は柔らかい開出毛を密生します。つるは木化(もくか:木のように硬く太くなる)し、このような木化するつる植物を藤本(とうほん)と呼びます。
樹液:つるや葉を切ると白い液が出ます。
 
ヒメイタビは本州(千葉県以西)・四国・九州・琉球に分布し、常緑広葉樹林内や林縁に生育します。葉の形状は個体や大きさによって変わってきますが、葉の雰囲気は共通しています。ですから、葉の形状よりも、質感や雰囲気で覚えるとよいかもしれません。