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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

おめでたい植物-282.ミズヒキ-

冠婚葬祭の封筒の飾りにつけられる水引が名前の由来となっているミズヒキです。

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神奈川県南足柄市にて(8月27日)。以下、撮影日・撮影場所同じです。

長い針金状の花序に小さな赤い花(ごくたまに白い花)を点々とつける様子は、ご祝儀の封筒を飾る赤色の水引をイメージさせます。水引は紅白が慶事、黒白が弔事に使用されるので、ミズヒキの色はおめでたい方の水引ということになりますね。
そんなおめでたい植物なら是非お庭に!と思いたくなりますが(思わないか…)、ミズヒキはかなり繁殖力が強い植物なので、ちょっとやっかいです。たぶん私が種子をくっつけてきてしまったと思うのですが、ミズヒキがいつのまにか庭に定着していました。最初のうちは「野趣があっていいじゃん」と思ったのですが、その後、地下茎と種子で増える増える…。結構抜いていますが、なかなか無くなりません。日陰でも育つので、広いお庭をお持ちの方はお試しあれ。

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わかりづらいですが、野外ではこんなふうにゴチャゴチャと群生します。

ミズヒキはタデ科イヌタデ属の多年草(たねんそう:地下部が2年以上生存し、毎年花や実をつける)で、ほぼ日本全国に分布し、低地のやや湿った樹林内や林縁でごく普通に見ることができます。地下茎が短く分枝するので狭い範囲で群生することが多いのですが、いかんせん花が小さいので山の中ではあまり目立ちません。

ミズヒキの特徴は次の3点です。
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托葉鞘(たくようしょう):葉の付け根にある筒状のものが托葉鞘で、タデ科の植物にはたいていついています。ミズヒキの托葉鞘は先が褐色になることが多く、托葉鞘の縁の他に外面にも短い毛が密生します。
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葉:互生(ごせい:葉が交互に着く)し、形状は楕円形~広い楕円形、長さは大きめのもので10cm。全体に短毛が多く、葉脈が表面でへこみ、葉の表面に染みのような斑紋があります。
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花序と花:長さ20cmぐらいの針金のような花序に2mm程度の赤い花を点々とつけます。花が小さいので、花なのか実の状態なのかわかりづらいです。実になっても赤色なので、花でも実でもどちらでもよい感じです。時々、花が白色のものがあり、ギンミズヒキと呼ばれます(ミズヒキの品種になります)。

似た植物は少ないですが、そっくりなものにシンミズヒキがあります。シンミズヒキはミズヒキと全体的な雰囲気は同じですが、葉がミズヒキに比べると細身で先がとがる傾向にあり、葉脈があまりへこまず、毛が少ない点で異なります。