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家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

実りの秋-332.アケビ-

実りの秋を迎えましたが、今年はナラ類やブナが不作のようでクマが今までにないくらい人里に出てきているようですね。クマも食欲の秋だと思うのですが、なんとか山で餌をみつけてほしいものです…😥。私が山で見つけた実りの秋はアケビです!

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三重県御浜町にて(10月7日)。実の写真は撮影日・撮影場所同じです。

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こんなバナナのように実っているものもありました。これは見事です。

まだ少し早い感じでしたが、これなんかはもう食べられますね。10cm以上の大きなものだったので、まずまずのサイズだと思います。ところでアケビ食べたことありますか~。甘味は強く、味としてはよいのですが、とにかくタネが多くて…。正直食べるのが面倒くさいんですよね。そんなわけで、アケビは山の動物たちに残してきました😄。

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房状に実っているものの方が小さい。大きいのを選ぶか、個数を選ぶか迷いますね。

アケビは厚い皮の中に入っている果肉を食べるものと思っていたのですが、数年前に山形県アケビの肉詰めを初めて食べました。果肉が入っているところに味付けしたひき肉が入っていて、ナスの肉詰めみたいな感じになります。「皮を食べるの?」と最初はびっくりしましたが、これがナスの肉詰めみたいな感じですごくおいしいんですよね。皮自体はちょっとほろ苦いのですが、甘めの肉味噌と相性がすごくよかったです。機会があったら皆さん食べてみて下さい。

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岐阜県羽島市にて(4月4日)。この時期の若い木の芽も山菜として食べます。

アケビアケビアケビ属の藤本(とうほん:木性のつる植物)で、本州~九州の低地から山地に分布します。樹林内や林縁でごく普通に見られますが、実がなるような個体に出会うことは少ないですね。もっとたくさん実がなれば、森の動物達も里に出てこなくて済むんですけどね~。

アケビの特徴は次の3点です。

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①全体容姿:つる性の木本です。樹林内を這う個体もありますが、木に巻き付くと大きなものでは20m近くまで伸びます!

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②葉:葉は基本落葉性ですが地表を這うものの一部の葉は越冬します。春にはつるとともに多数の葉が芽吹きます。若いつるの先端を「木の芽」として食します。少しほろ苦いですが結構美味です。葉は互生(ごせい:交互に葉がつく)し、形状は掌状複葉で、小葉は基本的には5枚です。小葉には柄があり、小葉の形状は長楕円形~倒卵形で、ほぼ全縁(ぜんえん:葉の縁にぎざぎざが無い)です。

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③花:花は4月頃に咲きます。花は雄花と雌花があり、一つの花序(かじょ:花の集合)に雄花と雌花がつきます。花弁のように見えるのはガク片のようで、ガク片は全体的に白っぽい紫色となります。

類似種としてはミツバアケビとムベがあります。

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ミツバアケビ。ちょっと遠いですが小葉は3枚です。静岡県湖西市(10月15日)。

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ムベ。果実は不老長寿の実だとか?静岡県浜松市(10月14日)。

ミツバアケビはその名の通り、小葉が3枚となる点が異なります。ムベは常緑なので硬いテカテカした葉がつく点が異なります。どちらもアケビと似たような実がつき、食べられます。葉が5枚や4枚とやや不定で、葉に鋸歯が出るものはミツバアケビアケビの雑種と言われていて、ゴヨウアケビといいます。