身近な自然もいいね!

家庭菜園や庭の記録。日本各地の自然環境や身近な植物(時々珍しい植物)を紹介しています。

三峰川【その2】-(長野県伊那市)-

その2ではちょっとした謎(個人的な疑問)について少しお話ししたいと思います。

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高遠ダム。ダムからは大きな礫は流れないような気がするのですが、洪水時は流れるのかな?
三峰川には高遠ダム美和ダムという2つのダムがあります。このようなダムがあると水は流れますが、土砂はダムに捉えられ、ダムへの下流に土砂や礫の供給が低下すると聞いたことがあります。そのためダムができると河床が固定化しやすく、場所によっては削られて河床が低下することもあるとのこと。

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ダム直下の様子。こんな感じの狭窄部が約2km続きます。斜面崩壊は無いようでした。

次に三峰川自体に目を移すと、高遠ダムの直下が狭窄部となり、狭窄部を過ぎると河川が蛇行を繰り返します。

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国道152号線の橋から下流方向を望む。堤防幅が狭く、三峰川は蛇行する余地が無い。

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高遠ダムから約8km下流。河川敷は広く川は十分に蛇行できます。

高遠ダム直下は約2kmが狭窄部になっていて、その区間にある高遠の町では堤防があるものの、その幅は50m程度で、川は動ける余地が殆どありません。狭窄部を過ぎると川は約9km流れて天竜川と合流します。この区間の堤防幅は200~260mで、川は十分に蛇行を繰り返すことができます。

三峰川では2019年の台風19号豪雨によってかなり水位があがったようで、多分この影響で流路が変わり、自然裸地も増加したのだと思います。ここでちょっとした謎です。自然裸地を形成する砂礫はいったいどこからやってきたのか?

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上流からの供給も無く、斜面崩壊も無いのに、大量の砂礫はどこからやってきたのか?

高遠ダムは見た感じ土砂を排出しないような感じです(泥や砂は排出しますが大きな礫までは排出しないと思うのですが…)。狭窄部では目立った崖崩れ等は無く、川底が大きく掘れている感じもしません。天竜本川のようにかなりの距離を流れる場合、上流から少しずつ砂礫が運ばれて自然裸地ができるというのは想像できるのですが、三峰川の場合ダム直下から狭窄部を抜けた2kmちょっとのところで大きな自然裸地ができ、さらに自然裸地が天竜川合流点まで続きます。ダムはあまり礫を排出せず、目立った崩壊地も無いのに大面積の自然裸地ができあがる…🤔、不思議だと思いませんか?

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高遠ダムから約4.4kmの新三峰川橋より下流を望む。蛇行区間の中では上流側に位置するので、このあたりは砂礫の堆積より削られている方が大きいのか?

供給源が見当たらないということは、砂礫は近い所から運ばれているということでしょうか。自然裸地はそれぞれちょっと上から流れてきた砂礫が堆積したか、高水敷きが削れてそのまま堆積したという感じなのか🤔?そうなると土砂が堆積しない狭窄部出口付近は削られる一方ということになりますね…。それとも実は礫は殆ど動いていなくて植生を含む表層だけが流された…🤔?流路が変わっているのでそんなことはないと思うのだが…?

河川敷は多分横断測量を行っていると思うので、その結果を見ればどこが削られて、どこが堆積しているというのがわかると思いますが、眺めただけではよくわかりませんね😑。謎は謎のままですが、洪水の破壊力の大きさをまざまざと見せられた感じでした。